自動思考の罠に陥るな!「折れない心」をつくる40のルール(大野裕著)の書評

「自動思考」にとらわれてしまうと、目の前で起きている問題が、現実以上に大きく見えたり、悲観的なものに思えて、前に進めなくなってしまうのです。ところで、「自動思考」は、(1)思いこみ・決めつけ、(2)白黒思考、(3)べき思考、(4)自己批判、(5)深読み、(6)先読みに分けれます。(大野裕)

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私たちは、思いこみや決めつけなどの自動思考に、とらわれてしまいがちです。
大人になって経験を積むほど、過去の知識や体験が邪魔してしまい
新しい考えを採用したり、何かにチャレンジすることを諦めてしまいます。
これでは、自分の可能性を狭めてしまいますから、自動思考には注意が必要です。

大野裕氏は「折れない心」をつくる40のルールの中で
その自動思考の危険性を指摘しています。
自動思考は以下の6つのパターンに分類されます。
自分の考えに縛られて、苦しむのをやめるためにも
自分のパターンをまずは認識してみましょう。

(1)思いこみ・決めつけ
自分が着目していることだけに目を向け、根拠がまったく不十分なのに、自分の考えが正しいに違いないと決めつける考えです。そうすると、自分に関心のあることは大きく考え、自分の考えや予想に合わない部分はことさらに小さく考えるようになってきます。仕事でミスをしたときに、 「私はいつも失敗してばかりだ」と決めつけるのは、その例です。
(2)白黒思考
物事をすべて白か黒か、よいか悪いかという極端な思考で割り切ろうとする考えです。上司からミスを指摘されたときに、「やはり自分は仕事ができなかんぺきい」と考えたり、「すべて完壁に書類を作成しなければ意味がない」と考えたりするのは、その例です。
(3)べき思考
「こうすべきだ」「あのようにすべきではなかった」とあれこれ思い悩んでいる状態です。そうしたときには、できるだけの準備をしていたとしても、仕事で少しミスが出ただけで、「もっと準備をすべきだった」と無理な期待を自分にして、悔やみます。「何があってもこうしなければならない」と思うと、できない事態が起こってきます。このように、現実を無視して自分の考えで心を縛ってしまうと苦しくなるばかりです。現実的には、時と場合によって、柔軟に対応しないといけないことがたくさんあるからです。
(4)自己批判
よくないことが起きると、何であっても自分の責任だと考えて、自分を責めてしまう考えです。みんなで取り組んできたプロジェクトが失敗したとき、すぐに自分が悪かったと考えたりするのが、その例です。そのように、自分の力だけではどうすることもできないことで、自分うぃ責めていると、とてもつらくなります。
(5)深読み
相手の気持ちを、一方的に推測して、そうに違いないと決めつけてしまう考えです。
(6)先読み
自分で悲観的な予測を立ててしまう考えで、そのために自分の行動を制限してしまい。予想通り失敗してしまうこともあります。

確かに、私が失敗した時の理由を考えると
思いこみが邪魔したり、狭い選択肢から決定していました。
あるいは、勝手に相手の気持ちを深読みしたり、悲観的な未来を想像して
自分の行動にブレーキを踏んでしまう場合もありました。

それを避けるために、まずは、自分の考え方を客観視してしみましょう。
相手の気持ちを一方的に深読みするのは、バカらしいことです。
例えば、クライアントからのメールの返信がない場合に
自分が嫌われていると考える人がいますが、この考え方はあまりに偏っています。
ただ、単に相手が忙しいだけかもしれませんし、メールを見落としている可能性もあります。
病気で仕事を休んでいるなど、相手の状況を想像すれば、その偏りに気づけます。
メールが来ない理由を考えて、もしも、悲観的な理由が見つかったら
それに対処する方法を考えればよいのです。
偏った考え方で悩んでばかりいたら、疲れてしまいます。

悲観的に考えるのが悪いのではなく、考え方が偏っていることが問題なのです。落ちこんだとき、心が折れそうなときには、頭のなかに浮かんだ考えが、「1つの考え方」で、他の見方もできることに気がつくこと。これが、心をポキンと折ってしまわない大切なコツです。

たとえ、失敗しても、冷静になって考えることで
何かしらの解決策が見つかると大野氏は言います。

その時々の考え方は、その時々の環境や体調によって変化します。もちろん、その考えが間違っているとか悪いとかいつことではありません。まさに個性なのです。それがうまく働かなくなったときに、微調整をして上手に問題を乗り越えるには、その時々の「考え方」に目を向けると良いでしょう。

悲観的に偏った自分を信じてばかりいては、本当に心が疲れてしまいます。
多様な視点で思考して、自分のゴールを明確にすれば
今何をすべきかがわかります。
自分一人で解決をしようとせずに、誰かに相談したり
本を読むなどして解決策を模索すれば、自ずと良い結果を導けるようになります。
自動思考の罠におちいって、何もしないのが最悪の選択肢なのです。

なにか困った問題にぶつかったとき、気持ちがふさいでしまいそうな時に
柔軟に、その問題に対処したり、解決したりすることが大切です。
やっぱり自分はダメなんだ」と思って、自虐的になるのではなく
具体的な解決方法を考えていけば、やがては良い結果を得られるようになります。

大野裕氏の「折れない心」をつくる40のルールには
自分の行動をよくするための解決のヒントが書かれています。
ぜひ、参考にしてみてください。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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photo credit: TakeItEasy via photopin (license)

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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